◎M痘(エムポックス)は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴ民主共和国で初めて検出された。
M痘(エムポックス)患者のサンプル(WHO)

パキスタン政府は16日、最近中東から帰国した男性がM痘(エムポックス)に感染していることを確認したと明らかにした。

それによると、今年国内でM痘感染者が確認されたのは初め。アフリカ中央部・コンゴ民主共和国で最初に確認された変異株かどうかは分かっていない。

この変異株は15日、北欧スウェーデンで感染者が確認された。

M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。

重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。

死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~10%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。

パキスタン保健省は声明で、「この男性はアフガニスタンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州出身である」と明らかにした。

また同省は国境検問所や空港の職員に対し、「監視体制を強化し、帰国した乗客にこの症状が見られた場合は検査のうえ、サンプルを採取するよう指示した」と述べた。

この男性がどの中東諸国を訪問したかは不明である。中東で今年、M痘感染者が確認されたという報告はまだない。

世界保健機関(WHO)によると、UAE(アラブ首長国連邦)では2022年以降、16人のM痘感染者が確認されている。

UAEはエミレーツ航空とエティハド航空を擁し、東西を結ぶハブ空港としての役割を担っているため、感染症の影響を受けやすい。

カイバル・パクトゥンクワ州政府によると、男性の症状は軽く、命に別条はないという。当局は男性と接触した人からサンプルを取り、他に感染者がいないか調査している。

WHOは14日、コンゴを含むアフリカ中央部と西部でM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。

アフリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、今年M痘患者が確認された国は13カ国。全患者と死者の96%以上がコンゴで報告されている。感染者は1万4000人超、死者は524人となっている。

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