◎インドは「レイプ大国」と呼ばれるほどレイプ事件が後を絶たず、2020年にカースト制の最下層「ダリット」の女性が集団レイプされ死亡した事件は全国規模の抗議デモに発展した。
2024年8月15日/インド、西ベンガル州、大学の研修医が殺害された事件に抗議するデモ(AP通信)

インドのいくつかの都市で医師や救急隊員が労働条件の改善を求めている中、医療大学の女性研修医がレイプされ殺害された。

事件の舞台となった西部ベンガル州コルカタにある医療大学では14日夜、デモ隊がキャンパス内で暴れ、車を破壊し、病棟を荒らしまわった。

州警察は15日の声明でこの襲撃を非難したが、逮捕者が出たかどうかは明らかにしなかった。

地元メディアによると、キャンパス内でデモ隊と機動隊が衝突し、数人が負傷。機動隊は催涙ガス弾を使用したという。

31歳の女性研修医は9日、この大学キャンパス内で亡くなっている状態で発見された。警察はその後、大学の警備員とみられる男が女性をレイプし、殺害したとして逮捕した。

それ以来、全国のいくつかの都市でこの事件に抗議するデモが勃発。デモ隊は政府系の医療機関で集団レイプが横行し、その多くに医師や警察が関与しているとして、政府に対応を求めている。

国家犯罪記録局(NCRB)によると、2022年に全国で確認されたレイプ事件は3万1516件、21年から20%増加したという。これは認知された件数であり、実際はもっと多いと推定されている。

インドは「レイプ大国」と呼ばれるほどレイプ事件が後を絶たず、2020年にカースト制の最下層「ダリット」の女性が集団レイプされ死亡した事件は全国規模の抗議デモに発展した。

専門家によると、インドでは性暴力にまつわる汚名や警察への不信感から、女性に対する犯罪の多くが報告されていない。多くの女性が泣き寝入りせざるを得ない状況に追い込まれている。

特に農村部ではレイプが日常茶飯事であり、性暴力を受けた被害者がコミュニティから辱められ、家族が社会的地位を心配するあまり、被害者に黙っているよう求めることもある。

モディ(Narendra Modi)首相は15日、78回目の独立記念日を祝う演説で、女性に対する暴力を強く非難した。

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