◎複数の地元メディアが最近行った世論調査によると、ゴンザレス氏の支持率はマドゥロ氏を25~30%上回っていた。
2024年7月29日/ベネズエラ、首都カラカス、マドゥロ大統領(AP通信)

ベネズエラ選挙管理委員会は現職のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が28日に行われた大統領選を制したと主張しているが、集計結果を公表していない。

首都カラカスでは29日朝から野党連合の支持者が街頭に繰り出し、選管をマドゥロ氏の「子分」、選挙結果を「とんでもない詐欺」と非難した。

選管は投票締め切りからわずか数時間後、集計結果を公表せずに、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと主張。全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の得票率は44%とされるが、真偽は不明だ。

選管の発表を受け、マドゥロ氏は首都カラカスで勝利を宣言。こぶしを突き上げ、野党を「ファシスト」と呼んだ。「我々の選挙は公平公正なものであった。今回も完璧だ。いかなるミスも弱点もない。ベネズエラの法は尊重されるだろう...」

投票を監視するジミー・カーター(Jimmy Carter)元米大統領の財団「カーター・センター」はベネズエラ当局に対し、今回の選挙で使用した3万台の投票機の集計結果を公表するよう求めた。

同センターはベネズエラに職員を派遣したとしている。

選管は29日早朝に集計結果を公表すると約束したが、地元メディアによると、選管のウェブサイトで不具合が発生し、閲覧できない状態になっている。

選管は昨年12月に隣国ガイアナとの領土問題をめぐる国民投票が行われた際も、集計結果を公表せず、「大多数が賛成票を投じた」と述べるにとどめていた。

有権者は電子投票機を使って投票する。

電子投票機は投票を記録し、すべての有権者に自分が選んだ候補者を示す紙のレシートを提供する。

有権者はそれを投票箱に入れ、退室する。

政府与党の関係者は全国の投票所に自由に出入りできる一方、野党の選挙監視員は立ち入りを厳しく制限され、チェックが難しくなっている。

野党は各投票機の集計結果を公表するよう求めているが、マドゥロ政権がこれに応じたことは一度もない。

選管の発表、野党指導者のマチャド(María Corina Machado)元議員は記者団に対し、「野党陣営が全国に配置した選挙監視員たちはゴンザレス氏の票が圧倒的に多かったと報告している」と語った。

一部の地元メディアも出口調査の結果を公表し、「ゴンザレス氏がマドゥロ氏に敗れる可能性は低い」と報じた。

ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏のバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。

現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、推定770万人が国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。

選管は投票締め切りから数時間後にマドゥロ氏の勝利を宣言したが、得票率以外のデータは公表せず、公表するかどうかも不明である。

カーター・センターを含む多くの選挙監視団が結果を公表するよう求めた。

選管によると、全体の投票数は900万票を超えたという。投票率は不明だ。

チリのボリッチ(Gabriel Boric)大統領は選管の発表を「信じがたい」と批判。ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は発表された集計結果が民意を反映していないと指摘し、「深刻な懸念を抱いている」と表明した。

一方、ベネズエラの同盟国であるロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領はマドゥロ氏に祝電を送った。

米政府は昨年10月、マドゥロ政権が野党連合と選挙協定を結んだ見返りとして、経済制裁を一部緩和したものの、マチャド氏が選挙に立候補できなかったことなどを受け、今年3月にこれを取り消した。

複数の地元メディアが最近行った世論調査によると、ゴンザレス氏の支持率はマドゥロ氏を25~30%上回っていた。

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