◎アフガンの雨季は6月から9月末頃まで続く。
アフガニスタン東部ナンガルハル州の広い範囲で大雨による被害が拡大し、少なくとも40人が死亡、350人近くが負傷した。タリバン暫定政権が16日、明らかにした。
それによると、州都ジャララバードや近隣の地区で生活する347人が家屋の倒壊や鉄砲水に巻き込まれて負傷、病院で手当てを受けているという。
州政府の報道官は声明で、「15日未明以降の大雨により、少なくとも40人が死亡し、犠牲者の数は増える可能性がある」と明らかにした。
ナンガルハル州全域で約400棟の家屋と60本の電柱が倒壊した。
現地メディアによると、多くの地域で停電が発生し、ジャララバード市内のインターネット通信もつながりにくくなっているという。
被害の全容は明らかになっておらず、タリバンと援助団体が調査している。
郊外の集落で浸水被害に遭ったという男性はAP通信の取材に対し、「雨が降り始めてから1時間ほどで家が水没し、強風で壁が吹き飛んだ」と語った。
国際援助団体「国際救済委員会」のアフガン支部は16日、「職員を現場に派遣し、被害の状況を調査したり、タリバン当局に情報を提供したりしている」と述べた。
国連やユニセフなどもナンガルハル州に支援物資を送ると表明した。
アフガンの雨季は6月から9月末頃まで続く。
国連世界食糧計画(WFP)は今月初め、今年のアフガンの雨季は平年より激しく、北東部バダフシャン州、北部バグラン州、中部ゴール州などで被害が拡大し、300人以上が死亡。数千の家屋が全壊し、数万の家畜が死に、多くの農地が破壊されたと報告していた。