◎イスラエルとヒズボラは昨年10月にガザ紛争が始まって以来、ほぼ毎日国境沿いで攻撃を交わしている。
レバノン、首都ベイルート、イスラム教シーア派組織「ヒズボラ」の首長ナスララ師の演説を聞く人々(Hussein-Malla/AP通信)

レバノン親イラン民兵組織ヒズボラの首長であるナスララ(Hassan Nasrallah)師が19日、宿敵イスラエルとの全面戦争に応じる用意があると表明した。

ナスララ師はテレビ演説で「我々はイスラエルとの全面戦争になった場合、シオニスト共が潜伏する拠点を含む、イスラエルの奥深くを正確に攻撃できる兵器と諜報能力を持っている」と主張した。

イスラエルとヒズボラは昨年10月にガザ紛争が始まって以来、ほぼ毎日国境沿いで攻撃を交わしている。

イスラエル政府はこの数週間、ヒズボラへの非難を強め、北部国境沿いでより激しい攻撃に出る可能性があると示唆してきた。

ガザ紛争の拡大を防ぎたい米政府は18日に特使をレバノン・ベイルートに派遣し、政府高官と会談したばかりである。

ナスララ師はテレビ演説でこう強調した。「我々はシオニスト共を攻撃できる新しい武器を持っている。しかし、それが何であるかは言わない。シオニスト共が決定を下せば、その威力を目の当たりにすることになるだろう...」

ヒズボラは昨年10月にイスラエル国境沿いで戦闘が激化して以来、イスラエル空軍の戦闘機を追い払うために地対空ミサイルを使ったり、自爆ドローンを多用してきた。

ナスララ師は3年前にヒズボラの戦闘員数を10万人と報告していたが、19日のテレビ演説では「これよりもっと多い」と主張した。

またナスララ氏は「周辺の同盟国や民兵が数万人規模の戦闘部隊をレバノンに派遣したいと申し出ているが、今のところ、これを受け入れるつもりはない」と述べた。

ヒズボラの監視ドローンが撮影したとされる動画にはイスラエル国境から遠く離れた北部ハイファの住宅地が映っていた。

ナスララ師は「我々の諜報部隊はイスラエルの奥深くに侵入し、好きなように動画を撮影したり、爆弾を仕掛けることができる」と主張した。「我々はその気になれば、シオニスト共の目の前でドローンを飛ばしたり、記念写真を撮ることもできます...」

イスラエル国防軍(IDF)のハレビ(Herzi Halevi)参謀総長は19日、レバノン国境近くの拠点を視察。記者団に対し、「ヒズボラが公開した動画を含む、ヒズボラの能力を認識しており、我々はこれらの脅威に対処する解決策を持っている」と語った。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は3万7500人近くに達した。仲介国による停戦交渉はほとんど進展していないように見える。

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