◎国連は今年地中海で死亡または行方不明になった移民を800~1000人と推定している。
イタリアの沿岸警備隊が南部ランペドゥーザ島沖で行方不明になった数十人の移民を捜索している。
現場海域で捜索に当たった指揮官は19日、記者団に対し、「17日の転覆事故で行方不明になった60人以上の捜索を続けている」と語った。
それによると、ヘリと巡視艇で捜索に当たったが、現時点で見つかった人はいないという。
国連の国際移住機関(IOM)は17日、民間の船舶がランペドゥーザ島沖で転覆した木造船を発見。その後、沿岸警備隊が10人の遺体を収容し、11人を救助したと明らかにした。
沿岸警備隊は12人を救助し、うち1人がその後死亡したと発表。生存者の話しとして、「60人以上が行方不明になったとみられ、うち少なくとも20人が子供という情報もある」と明らかにした。
この木造船は8日前にトルコ南西部の港を出港。カラブリア州の約200キロ沖合で火災を起こし、転覆したとされる。乗っていた移民の多くがイラン、シリア、イラク出身であった。
国際医療支援団体「国境なき医師団」は19日の声明で、「生存者たちは精神的、肉体的なトラウマを負っている」と述べ、専門家によるサポートが必要であると訴えた。
沿岸警備隊は17日、別の移民船をランペドゥーザ島沖で発見し、51人を救助。甲板で10人の死亡を確認した。51人はシリア、エジプト、パキスタン、バングラデシュ人と伝えられている。
国連は今年地中海で死亡または行方不明になった移民を800~1000人と推定している。
北アフリカのチュニジアとランペドゥーサ島は150kmほどしか離れておらず、移民のホットスポットになっている。
トルコ南西部から出港する移民の多くがギリシャやキプロスを目指す。