◎現場はジャンムー・カシミール州郊外。ヒンズー教の巡礼地に向かっていたバスが銃撃され、そのはずみで谷に転落した。
インド・カシミール地方の山間部で正体不明の武装集団がヒンズー教徒を乗せたバスに発砲、その後、バスが道を外れて谷に転落し、少なくとも9人が死亡、33人が負傷した。地元警察が9日、明らかにした。
それによると、現場はジャンムー・カシミール州郊外。ヒンズー教の巡礼地に向かっていたバスが銃撃され、そのはずみで谷に転落したという。
地元テレビ局の取材に応じた警察官は「犠牲者の何人かに銃弾が当たり、即死状態だった」と語った。
救助隊が9人の遺体を収容。生還した33人は市内の病院に搬送された。ケガの程度は明らかになっていない。
地元メディアによると、犯行声明を出した組織は確認されていない。
インドとパキスタンはそれぞれカシミールの一部を管理している。この係争地をめぐる領有権争いが解決する目途は全く立っていない。
インド政府はパキスタンがカシミールの分離独立を目指す反政府勢力を支援していると非難。パキスタンはこの主張を否定している。
カシミールの武装勢力は1989年の武装蜂起以来、中央政府と戦ってきた。カシミールで生活するイスラム教徒の多くがパキスタンへの編入か独立するという武装勢力の目標を支持している。
一連の紛争に巻き込まれ死亡した民間人は数万人と推定されている。