◎国連の専門機関である国際移住機関(IOM)は死者数を670人超と見積もっていた。
パプアニューギニア政府は27日、エンガ州で発生した大規模な地滑りについて、「2000人以上が生き埋めになった可能性がある」という見方を示した。
地滑りは首都ポートモレスビーの北西約600キロに位置する内陸部のエンガ州で24日未明に発生。複数の集落が巻き込まれたとみられる。
国連の専門機関である国際移住機関(IOM)は死者数を670人超と見積もっていた。
現地メディアによると、救助隊が収容した遺体は6人にとどまっているという。
災害対策本部の報道官はAP通信の取材に対し、「この地滑りで集落の住民2000人以上が生き埋めになったとみられ、その数は今後、大幅に増減する可能性がある」と語った。
当局は死者数を推計した根拠を示していないが、現地メディアは生存者などの話しとして、「地滑りに飲み込まれた集落では3500~4000人が生活していた」と報じている。
集落はエンガ州郊外の山岳地帯にあり、森林に覆われている。
報道によると、現場に近い道路も土砂に覆われ、救援物資の搬入や重機の乗り入れを困難にしているという。
救助隊は全国各地から救援物資を運びこもうとしているが、土砂に覆われた道路から現場までは数百メートル離れており、搬入に苦労している。
被害の全容は明らかになっておらず、中央政府が関係自治体などと連携して対応に当たっている。
地滑りの原因も明らかになっていないが、一部メディアは専門家の話しとして、「過去の地震や大雨の影響で地盤が緩み、何らかのはずみで崩壊した可能性がある」と報じた。
現場では地元の建設業者が持ち込んだショベルカーが少なくとも1台、稼働している。報道によると、救助隊は自走式の小型クレーンやトラックなどをヘリで搬入できないか検討しているという。