◎イングランド銀行(中銀)の目標値は2%。現在の主要政策金利は16年ぶりの高水準である5.25%であり、利下げ圧力がさらに強まりそうだ。
イギリス国家統計局(ONS)が22日、先月の消費者物価指数(CPI)を公表した。
それによると、CPIは前年同月比で2.3%増となり、3月の3.2%を下回り、過去3年で最も低くなったという。
これは世界経済がコロナウイルスの影響を受けていない2021年7月以来の低水準である。
イングランド銀行(中銀)の目標値は2%。現在の主要政策金利は16年ぶりの高水準である5.25%であり、利下げ圧力がさらに強まりそうだ。
次回の金融政策決定会合は6月20日の予定。エコノミストは中銀が利下げに踏み切るとみている。
しかし、肝心のサービス部門における物価上昇の規模や賃上げが思うように進んでいないという意見も根強く、利下げは8月になるという見方もある。
今回のインフレ率低下は歓迎すべきものだが、一部のエコノミストが期待していた2.0~2.2%には届かなかった。
また過去40年で最悪の生活危機が収束したわけではない。インフレ率の低下は物価の上昇が以前より緩やかになったことを示しているに過ぎない。
スナク(Rishi Sunak)首相は22日、議会下院(定数650)を近く解散し、7月4日に総選挙を行うと発表した。
最新の世論調査によると、与党・保守党の支持率は20%にとどまり、最大野党・労働党に倍以上の差を付けられている。14年ぶりの政権交代が実現するという機運が高まっている。
インフレ率の低下が与党の支持率を押し上げるかどうかに注目が集まっている。