◎公共交通機関の運賃は不平等が深く根付いている南米全域でデリケートな問題となっている。
アルゼンチン・ブエノスアイレスの地下鉄料金が4倍以上に跳ね上がり、市民の度肝を抜いた。現地メディアが17日に報じた。
ブエノスアイレスの裁判所は16日、数週間にわたる審問の末、政府による料金の値上げを阻止する命令を解除した。
これにより、南米最古の地下鉄料金は17日朝から劇的に引き上げられることとなった。
公共交通機関の運賃は不平等が深く根付いている南米全域でデリケートな問題となっている。チリでは2019年、地下鉄料金の値上げに怒りを爆発させた市民が暴動を起こし、社会不安に発展した。
ブエノスアイレスの地下鉄料金は一夜にして125アルゼンチン・ペソ(約22円)から574アルゼンチン・ペソ(100円)に跳ね上がり、痛ましいインフレ危機を悪化させた。
昨年就任した自由至上主義者のミレイ(Javier Milei)大統領は左派政権が積み上げた債務を一掃し、低迷する経済を立て直すため、公務員の人員整理と賃金削減を推進し、公共事業を凍結し、政府庁舎の数を半減させ、中央銀行を解体し、自国通貨であるアルゼンチン・ペソを米ドルに置き換えると宣言している。
国営企業や補助金を含む公共支出は最初の標的であった。国際通貨基金(IMF)はミレイ氏の政策を称賛している。
同国の先月の消費者物価指数(CPI)は一桁台に突入。ピーク時の200%超から大幅に低下した。