◎カナダの山火事シーズンは5月から10月頃まで続く。
カナダ西部で発生した山火事が拡大し、数千人が避難を余儀なくされている。
西部ブリティッシュコロンビア州の消防当局は14日、この24時間で延焼エリアが拡大し、これまでに少なくとも84平方キロメートル(東京ドーム1800個分)が焼失したと明らかにした。
炎はフォートネルソンの市街地に接近。地元メディアによると、救助隊が近くの集落に残っている推定50人に避難を促す電話をかけたという。
同州の焼失面積はこの24時間で30平方キロメートル拡大。13日は53平方キロメートルであった。
現地メディアが報じた映像には広大な山林から立ち上る黒煙が映っている。
フォートネルソンの市民約4700人とそのすぐ近くで生活する先住民族が避難勧告を受けた。
ブリティッシュコロンビア州首相室はSNSに声明を投稿。勧告が出ている地域の住民に改めて避難を呼びかけた。
気象台によると、同州でしばらく雨は期待できそうにないものの、風は比較的穏やかで、延焼エリアが急拡大する可能性は低いという。
ブリティッシュコロンビア州北東部では避難命令エリアが拡大している。13日には2つの地区に避難命令が出された。
西部マニトバ州の郊外でも山路が発生。約550人が避難を余儀なくされた。
アルバータ州でも避難勧告が出るレベルの山火事が報告されている。現時点で死傷者の情報はない。
カナダの山火事シーズンは5月から10月頃まで続く。昨年の焼失面積は同国史上最悪の1万5000平方キロメートル超、23万人以上が避難を余儀なくされ、4人の消防士が亡くなった。
山火事の原因は落雷、たき火、キャンプファイヤー、花火、下草やゴミの焼却処理など。極度の高温と乾燥で自然発火することもある。