◎昨年6月にシーク教徒の指導者ニジャール氏を殺害した疑いで、インド国籍の20代の男3人が逮捕された。
カナダのトルドー首相(左)とインドのモディ首相(Getty Images)

王立カナダ騎馬警察(RCMP)は3日、昨年6月にシーク教指導者が殺害された事件について、インド国籍の男3人を逮捕したと明らかにした。

この事件はカナダとインドの外交問題に発展。互いに外交官を帰国させる事態となっている。

RCMPによると、昨年6月にシーク教徒の指導者ニジャール(Hardeep Singh Nijjar)氏を殺害した疑いで、インド国籍の20代の男3人を西部アルバータ州エドモントンで逮捕したという。

カナダのトルドー(Justin Trudeau)首相は昨年9月、ニジャール氏殺害にインド政府が関与しているという「信頼できる情報がある」と明らかにした。

インド政府はこれに猛反発し、関与を全面的に否定。在カナダ大使館の外交官62人のうち41人に帰国を求めた。緊張は続いているが、その後、幾分緩和された。

RCMPの警視総監はトロントで記者会見を開き、「3人の容疑者は非永住者として生活していた」と明らかにした。

また警視総監は「3人とインド政府のつながりを調べており、現時点でハッキリとしたことは言えない」と述べた。

ニジャール氏はインド生まれ。シーク教徒の祖国を建設しようとする運動の指導者であった。

インド政府はニジャール氏が複数のテロに関与したと主張しているが、同氏はこれを否定している。

シーク教徒の反乱はインド北部で1970~1980年代にかけて激化。政府の厳しい取り締まりにより、著名な指導者を含む数千人が殺害された。

インドと隣国パキスタンのシーク教徒の大半がイギリスから独立した1947年に移住した人々である。

インドで生活するシーク教徒の数は総人口の1.5%程度。2000万~2200万人と推定されている。

パキスタンはもっと少なく総人口の0.1%未満、1~5万人と見積もられている。

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