◎エクアドル警察は今月5日、首都キトの在メキシコ大使館に押し入り、グラス元副大統領を逮捕した。
2024年4月5日/エクアドル、首都キトの在メキシコ大使館に押し入る捜査当局(AP通信)

エクアドル政府は29日、複数の汚職事件で有罪判決を受けているグラス(Jorge Glas)元副大統領の亡命をメキシコ政府が認めたことは国際法違法であるとして、国際司法裁判所(ICJ)に訴状を提出したと明らかにした。

エクアドル外務省は声明で、「汚職で有罪判決を受けたグラス氏の亡命を許可したメキシコ政府の決定は国際法違反であり、ICJに提訴した」と述べている。

また同省はこう強調した。「メキシコ政府は犯罪で起訴、あるいは公判中、あるいは裁判で有罪判決を受けた犯罪者の逃亡を許可しないという義務を履行しなかった...」

エクアドル警察は今月5日、首都キトの在メキシコ大使館に押し入り、グラス氏を逮捕した。

メキシコ政府もICJに訴状を提出、在外公館への侵入を「とんでもない蛮行」と糾弾した。

この極めて稀な武力行使は国際協定に反するものであり、中南米諸国の猛批判を招いた。

エクアドル政府はグラス氏が指名手配されていたのは政治的理由ではなく汚職のためであり、亡命は違法であると主張している。

2件の汚職事件で有罪判決を受けたグラス氏は昨年12月、別の汚職事件で逮捕状が出たことを受け、在メキシコ大使館に逃げ込んだ。申請していた政治亡命は4月5日に認められた。

グラス氏は2016年の大地震後の復旧・復興活動を主導した際、複数の汚職に関与したとされ、他の贈収賄事件でも有罪判決を受けている。

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