◎この貨物船は先月中旬、インド洋で海賊に乗っ取られた。
ソマリア沖で活動する海賊(Getty Images)

アフリカ北東部・ソマリア沖で活動する海賊がバングラデシュ船籍の貨物船と乗組員23人を解放した。現地メディアが14日に報じた。

この貨物船は先月中旬、インド洋で海賊に乗っ取られた。その後、EUの海上警備隊である欧州海洋部隊が追跡していた。

この貨物船はモザンビークからUAE(アラブ首長国連邦)に石炭を運んでいた。

ロイター通信などによると、船主は身代金500万ドルを海賊に支払ったという。

AFP通信もこのシージャックに関与したとされる海賊2人の話しを引用し、「船主は指定した口座に500万ドルを振り込んだ」と伝えている。

船主のKSRMグループは14日、「交渉の結果、貨物船と乗組員が解放された」と明らかにした。

KSRMの広報担当はAFPの取材に対し、「海賊と取り引きした」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

それによると、乗組員にケガはなかったという。

解放された貨物船はその後、2隻の軍艦に護衛されながらUAEに向かったと伝えられている。

ソマリア沖で横行していた海賊行為は2011年をピークに減少していたものの、ここ数カ月で新たな攻撃が何件か報告されている。

米国、インド、日本を含む多くの西側諸国がソマリア沖で海上警備に当たっている。

欧米当局によると、昨年11月以降、ソマリア沖で少なくとも10隻の船舶が海賊の襲撃を受けたという。

世界銀行はソマリアの海賊が2005~12年にかけて乗組員を人質にすることで3億4000万~4億1300万ドルを稼いだと推定している。

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