◎エジプトは1979年にイスラエルと平和条約を結び国交を正常化。2007年からは治安対策を理由に、ガザ地区を共同で封鎖している。
エジプトの捜査当局が駐イスラエル大使の国外追放を求める集会に参加した疑いで活動家10人を逮捕した。現地メディアが5日に報じた。
それによると、このデモは今週、首都カイロの在イスラエル大使館周辺で数日にわたって行われたという。
エジプト政府はイスラエルによるガザ侵攻を非難する一方、仲介国としてカタールや米国と共に停戦交渉を主導してきた。
政府は公の場での抗議デモを原則禁じており、イスラエルに関するものでも取り締まりの対象になる。
現地メディアによると、治安当局はカイロの在イスラエル大使館近くで3日に行われたデモに退去を求め、その後、10人を逮捕したという。
カイロではこの日、地元のジャーナリスト協会前でも200人規模の反イスラエル集会が開かれた。
デモ隊は「ラファの国境検問所を開放しろ」「シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領はイスラエルのガザ包囲を助けている」などとシュプレヒコールを上げた。
在イスラエル大使館近くの通りには「パレスチナの抵抗に栄光あれ」「国交正常化にノー」などと書かれた横断幕が掲げられた。
地元の人権弁護士によると、捜査当局は大使館近くで行われたデモに参加したとみられる10人を逮捕したという。
警察はこの逮捕に関するコメントを出していない。国営テレビはこの10人が複数のデモを主導したと報じているが、詳細は不明だ。
それによると、検察当局はカイロ地裁に15日間の勾留を求めたという。
人権弁護士はAP通信の取材に対し、「彼らは虚偽の情報を拡散した罪と、テロ組織に関与した罪に問われている」と語った。
エジプトは1979年にイスラエルと平和条約を結び国交を正常化。2007年からは治安対策を理由に、ガザ地区を共同で封鎖している。