◎ボルソナロ氏は複数の法廷闘争を抱えており、海外に逃亡する恐れがあるとして先月パスポートを没収されている。
ブラジルの最高裁判所がボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領のパスポート返還要求を却下した。現地メディアが29日に報じた。
ボルソナロ氏の弁護団は28日、イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相から招待状を受け取ったとして、最高裁にパスポートの返却とイスラエルへの渡航を認めるよう要請した。
それによると、ボルソナロ氏は5月12~18日までイスラエルへの渡航を認めるよう求めたという。
TVグローボは最高裁判事の声明を引用し、「捜査対象者に課された制限を解除するのは時期尚早である」と報じた。
連邦検察はボルソナロ氏の要求を受け、慎重に検討する必要があると声明を出していた。
検察は最高裁への意見書の中で次のように述べている。「ボルソナロ氏のパスポートを押収したのは犯罪捜査を考慮し、出国を阻止するためであった...」
ボルソナロ氏は複数の法廷闘争を抱えており、海外に逃亡する恐れがあるとして先月パスポートを没収されている。
ボルソナロ氏とその側近たちは2022年の大統領選結果を無視し、政権を維持するために暴動を企てた疑いがあるとして捜査を受けている。
ニューヨーク・タイムズ紙は28日、ボルソナロ氏が先月首都ブラジリアの在ハンガリー大使館に2泊したと報じた。この証拠とされる監視カメラの映像が流出した経緯は不明である。
ボルソナロ氏がハンガリー大使館に滞在したことが明らかになったことで、ボルソナロ氏が逮捕を免れるために亡命を画策しているという憶測が広がった。