◎西アフリカのマリ、ブルキナファソ、ニジェールは10年以上にわたってサヘルに拠点を置く国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦っている。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は28日、西アフリカ・マリでロシアの軍事会社ワグネルの傭兵が民間人を虐殺していると明らかにした。
それによると、マリ軍政とワグネルはサヘル地域のイスラム過激派掃討戦で子供を含む多くの民間人を殺害している。
ワグネルは軍政の攻撃をドローンや武装ヘリで支援しているとされる。
西アフリカのマリ、ブルキナファソ、ニジェールは10年以上にわたってサヘルに拠点を置く国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦っている。
3カ国は近年、旧宗主国であるフランスとの関係を断ち、サヘルで存在感を増すロシアに接近。マリ軍政はワグネルと契約を結び、過激派掃討を続けている。
マリでは2021年のクーデター以来、暴力が激化。数百万人が避難民となり、その一部は北アフリカの人身倍組織の力を借りて西欧への亡命を目指している。
サヘル地域におけるワグネルの存在感は、その創設者であるプリゴジン(Evguéni Prigojine)氏が昨年亡くなった後も変わっていないようだ。
HRWはレポートの中で、「ワグネルの支援を受けるマリ軍政は恐ろしい虐待を行っているだけでなく、それを監視しようとする人権団体も排除しようとしている」と非難した。
またHRWは今年1月に発生したとされる虐殺事件に言及。「軍政とワグネルの傭兵は軍事施設近くの集落に押し入り、子供を含む25人を拘束。25人は目隠しをされ、頭を撃ち抜かれた状態で発見された」と明らかにした。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルも今週初め、マリ北部の集落が少なくとも2回ドローン空爆を受け、2~17歳の子供7人を含む13人が死亡したと発表。空爆で負傷した妊婦は流産したという。