◎連邦保安局(FSB)は実行犯4人を含む11人を拘束したとしているが、それ以上の詳細は明らかにしていない。
ロシア・モスクワ郊外の複合施設クロッカスシティホール内にあるコンサートホールで発生した銃乱射事件について、非常事態省は23日、死者が133人に達したと発表した。
正体不明の武装集団は22日の現地時間20時頃、人気バンド「ピクニック」のコンサート前に突然発砲。爆発物も使用したとされる。
火災は数時間後に鎮火。連邦保安局(FSB)は実行犯4人を含む11人を拘束したとしているが、それ以上の詳細は明らかにしていない。
クロッカスシティホールの周辺には多くの市民が足を運び、犠牲者に花を手向けた。
非常事態省は死亡が確認された133人の死因を公表していないが、国営テレビは数十人が銃撃後の火災に巻き込まれたと報じている。
現地メディアによると、消防士による捜索活動は夜通し続いたという。出火原因は明らかになっていない。
このテロ攻撃はプーチン(Vladimir Putin)大統領が記録的な得票率で5選を決めた数日後に発生した。
米政府はイスラム(ISIS)によるテロ攻撃の懸念が高まっているとして、秘密裏にロシアと情報を共有していたとされる。
ISISを支持するスンニ派のアマーク(Aamaq)通信は22日遅くに反攻声明を掲載したものの、プーチン氏はウクライナがテロ攻撃に関与した可能性があると示唆している。
プーチン氏は国民向けの演説で、「治安当局がウクライナに逃げ込もうとした実行犯を逮捕した」と述べた。
ロシアの軍事アナリストは治安当局が米国と情報を共有していたにもかかわらず、テロを防げなかったことに懸念を示している。「それだけ、モスクワの警備は甘いということだ...」
ウクライナ大統領府は22日、攻撃への関与を否定した。
在ロシア・米国大使館は今月7日、ISISを含む過激派がモスクワの集会などを標的にする可能性があるとして、米国民に対し、今後48時間は人が大勢集まる場所に近づかないよう勧告していた。