◎マチャド氏の選挙対策チームは20日、SNSに声明を投稿。「マドゥロ政権による残忍な弾圧を非難する」と書き込んだ。
ベネズエラの司法当局は20日、独裁者マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の最大のライバルであるマチャド(María Corina Machado)元議員の選挙スタッフ8人が国家転覆を画策したと主張し、逮捕状を発行したと明らかにした。
検察庁長官は国営テレビが全国放送した記者会見で、「マチャド陣営の選挙責任者を含む8人が軍兵舎を攻撃する計画などを立案した罪で逮捕されることになるだろう」と語った。
それによると、このうち3人が20日に逮捕されたという。
ソーシャルメディアで拡散した動画にはこの3人とみられる女性が警察のバンに押し込まれる様子が映っていた。3人は「助けて!」「殺される!」と叫んでいた。
検察庁長官は「マチャド氏が関与した可能性も念頭に捜査している」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
AP通信はマチャド氏に近い関係者の話しとして、「逮捕された3人は弁護士との面会を禁じられ、警察の取り調べを受けている」と報じた。
マチャド氏は昨年10月、米政府が支援する野党の選挙管理当局が主催する大統領予備選で大勝。得票率は94%に達した。投票数は選管の予想を大きく上回り、200万人以上が投票した。
しかし、マドゥロ政権はマチャド氏に15年間の出馬禁止令を科している。
大統領選は7月28日に予定されている。その候補者登録期限は3月25日。マチャド氏は立候補届を提出できずにいる。
マチャド氏の選挙対策チームは20日、SNSに声明を投稿。「マドゥロ政権による残忍な弾圧を非難する」と書き込んだ。
米政府は昨年、マドゥロ政権が野党連合と選挙協定を結んだ見返りとして、経済制裁を一部緩和した。
しかし、高等裁判所がマチャド氏の出馬禁止令を支持したため、バイデン政権は制裁を一部復活させた。
バイデン(Joe Biden)大統領は協定を無視して野党候補を弾圧するのであれば、制裁を復活させるだけでなく、新たな制裁も検討すると警告している。