◎リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカ・中東・アジアの亡命希望者の中継地になっている。
アフリカ北部・リビアの沿岸警備隊が地中海で移民を救助していた慈善団体を脅迫し、少なくとも1人を溺死させた。ドイツの非営利団体「SOSヒューマニティ」が3日、明らかにした。
それによると、同団体の救助船は2日、リビア沖で移民船を確認。77人を救助したという。
そこにリビア沿岸警備隊の巡視艇が現れ、海に向けて実弾を発射し、救助を妨害したとされる。
SOSヒューマニティの報道官は声明で、「リビア当局が救助作業を妨害した結果、少なくとも1人が溺死した」と非難した。
それによると、リビア沿岸警備隊は数十人を巡視艇に押し込み、SOSヒューマニティの乗組員に「邪魔をするなら容赦しない」と威嚇したという。
リビア政府はこの事件に関するコメントを出していない。
リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカ・中東・アジアの亡命希望者の中継地になっている。
国際移住機関(IOM)によると、昨年リビア沖で死亡が確認された移民は962人。少なくとも1563人が行方不明になったという。
リビア沿岸警備隊に拘束された移民は約1万7000人と報告されている。