◎この事件は2020年に発生、22年に公となり、ラマポーザ大統領を崖っぷちに追い込んだ。
南アフリカの検察当局は23日、ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領の牧場で発生した盗難外貨隠蔽事件について、容疑者の身柄引き渡し手続きを進めていると明らかにした。
この事件は2020年に発生、22年に公となり、ラマポーザ氏を崖っぷちに追い込んだ。
ラマポーザ氏は不信任決議案を回避し、裁判で何とか汚名をそそいだ。
元国家安全保障局長官のフレイザー(Arthur Fraser)氏は2022年6月、ヨハネスブルグの警察署に書簡を提出し、ラマポーザ氏の農場に400万ドル以上の盗難外貨が隠されていたと告発。
フレイザー氏によると、この米ドルを盗んだ強盗は拘束されたものの、ラマポーザ氏から口止め料を受け取り、姿を消したという。
フレイザー氏は書簡の中で、「ラマポーザ氏は警察と税務当局に事件を届けず、隠蔽した」と告発した。
野党はこれを「マネーロンダリング」「脱税」と糾弾。その後の調査で現金が農場の長椅子の下に隠されていたが判明した。
ラマポーザ氏はこの外貨を牛の売却で得たものと主張。いかなる不正行為も否定した。
この事件で男女が強盗で逮捕・起訴された。
検察は声明で、「強盗に関与した容疑者の身柄引き渡し手続きが始まっている」と述べたが、容疑者の数や所在地は明らかにしなかった。
スキャンダル当時の報道では、強盗の容疑者は隣国ナミビアに逃亡したとされていた。