◎イスラエルの港では110万人が1カ月食べるのに十分な量のコンテナ(約1050個)が待機を余儀なくされている。
パレスチナ自治区、ガザ地区の住宅地(ロイター通信)

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は9日、イスラエル軍がガザ地区への人道支援搬入を妨害していると主張。南部地区などに避難する110万人が食料を確保できずにいると懸念を示した。

米国、日本、ドイツ、イギリスを含む西側諸国が昨年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃を支援したとされるUNRWAへの援助を一時的に停止している。

UNRWAのラザリニ(Philippe Lazzarini)事務局長は9日の声明で、「トルコから寄贈された食料がイスラエルの港に何週間も放置されている」と述べた。

それによると、イスラエルの請負業者は政府当局からUNRWA向けの物資を一切処理しないよう通知を受けたという

イスラエルの港では110万人が1カ月食べるのに十分な量のコンテナ(約1050個)が待機を余儀なくされている。

国連世界食糧計画(WFP)は9日、ガザ地区が早ければ5月にも飢饉に陥る可能性があると警告した。

WFPは飢饉の定義を▽子供の30%が栄養失調に陥る▽5分の1の世帯が深刻な食料不足に陥る▽1万人に2人が飢餓や栄養失調で死亡した場合と定めている。

イスラエルは以前から、UNRWAを含む国連のさまざまな部門を偏見や反ユダヤ主義で非難してきた。

UNRWAはパレスチナ人約600万人に食料などを提供しているが、西側の支援が一時停止されたことで危機的状況に置かれた。

UNRWAの報道官は声明で、「イスラエルの銀行口座が今週凍結された」と明らかにした。それによると、当局は資産凍結だけでなく、税関に対し、UNRWAの免税措置を無効にするよう命じたという。

イスラエルのスモトリッチ(Bezalel Smotrich)財務相は8日、「我が国はテロリストを支援する組織に税制上の優遇措置を与えない」とX(旧ツイッター)に投稿した。

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