◎首都ベルリンでは断続的に雨が降っていたにもかかわらず、約15万人が市中心部の広場や通りに集まった。
ドイツ全土で極右政党に反対する集会やデモ行進が行われ、15万人以上が参加した。地元メディアが3日に報じた。
それによると、首都ベルリンでは断続的に雨が降っていたにもかかわらず、約15万人が市中心部の広場や通りに集まったという。
フライブルクやハノーバーでも同様の集会が開かれ、数千人が参加した。
このデモは極右組織が昨年11月に開いた会合に「ドイツのための選択肢(AfD)」などの極右政党関係者が出席していたことを受け、先月から開催されている。
この会合ではドイツで市民権を得た移民を含む数百万人を強制送還する方法などが議論されたという。
ベルリン警察はデモ参加者を13万~15万人と見積もっている。
デモ隊は「第二次世界大戦で何を学んだ?」「二度と間違えない」などと書かれた横断幕を掲げ、連邦議会横の広場でシュプレヒコールを上げた。
ドイツ通信社(dpa)の取材に応じた女性は、「ヒトラー(Adolf Hitler)を支持する政党に居場所はない」と語った。「とんでもないAfDを今すぐ過激派に指定し、この国から追放してください」
別の男性は「移民への攻撃は過去の恐ろしい過ちを彷彿とさせるものであり、死んでも容認しない」と述べた。
ショルツ(Olaf Scholz)首相は3日、X(旧ツイッター)に声明を投稿。デモ隊を称賛した。「全国のありとあらゆる都市で憎悪を煽る勢力に反対するデモが行われています...」
最新の世論調査によると、AfDの支持率は2021年の連邦議会選時の10.3%から23%に急上昇。1位の最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)に肉薄している。
AfDの候補は昨夏、ナチス以来初めて、市長選と地区議会選で勝利を収めた。バイエルン州とヘッセン州の選挙でも議席を大きく伸ばし、今年9月に予定されているザクセン州、テューリンゲン州、ブランデンブルク州では第1党に躍進する可能性がある。