◎軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は1日、内戦下にあるスーダンで市民約800万人が避難民となり、「壊滅的な人道危機が進行中である」と警告した。
軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
内戦は西部ダルフールに拡大。部族間抗争を再燃させ、数千人が殺害されたり、餓死したと推定されている。
国連はこの内戦で少なくとも1万2000人が死亡したと推定しているが、地元の人権団体はこれをはるかに上回る犠牲者が出ていると報告している。
3日間のエチオピア訪問を終えたグランディ(Filippo Grandi)高等弁務官は記者団に対し、「この絶望の中、家族、友人、家、生計を失った人々の悲痛な話を聞いた」と語った。
またグランディ氏は「国際社会の支援がなければ、助けを必要としている最も弱い立場の人々を守ることはできない」と強調した。
国連によると、昨年4月以来、150万人以上が近隣諸国に逃れ、そのうち50万人以上が国境を接するチャドで避難生活を送っている。
さらに10万人がエチオピアに流入。南スーダンには毎日推定1500人が避難しているとされる。
米財務省は1月31日、RSFのダガロ(Mohamed Hamdan Dagalo)司令官とつながりのある銀行と2つの株式会社を制裁リストに追加。米国内の資産と事業体を凍結し、米国民との取引を禁じた。