◎首都ミンスクを含む複数の都市で家宅捜索が行われ、ジャーナリストや活動家など159人が逮捕された。
2020年8月/ベラルーシ、首都ミンスクの抗議デモ(AP通信)

ベラルーシの治安当局がルカシェンコ政権に反対する民主派勢力への弾圧を強化し、少なくとも159人を逮捕した。人権団体「ビアスナ人権センター」が25日、明らかにした。

それによると、首都ミンスクを含む複数の都市で家宅捜索が行われ、ジャーナリストや活動家など159人が逮捕されたという。

ビアスナは過去に投獄されたことにあるジャーナリストや反体制派の親族が逮捕されたと報告。ルカシェンコ政権を非難した。

反体制派の指導者たちもここ数ヶ月で最大規模となった今回の弾圧を「国際法違反」と糾弾している。

ビアスナによると、恣意的な理由で逮捕・投獄されたり、治安当局の拘束下にある政治犯は1400人を超えたという。その一部は裁判を受けることなく刑務所に収監されている。

ベラルーシ・ジャーナリスト協会は25日、「今回逮捕された者の中には政治犯の家族支援に携わっている独立系メディアのジャーナリストも含まれている」と声明を出した。

同協会によると、このジャーナリストは数年前に反体制派寄りの記事を掲載した疑いで逮捕され、2022年10月に釈放されたという。

国営テレビは25日、警察筋の話しとして、「治安当局は海外在住のアナリストや記者、計20人の犯罪捜査を開始した」と報じた。それによると、この20人は国家転覆を画策したり、過激派と共謀した罪などに問われている。

2020年の大統領選に出馬し、リトアニアへの亡命を余儀なくされたチハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「ルカシェンコが主導する市民の恣意的逮捕・拘束にショックを受けている」と書き込んだ。

EUのボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表も弾圧を非難し、「ルカシェンコ政権は来月の議会選に先立ち、民主派勢力を駆逐しようとしている」と断じた。

ロシアのウクライナ侵攻を応援する独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は2020年8月の大統領選で勝利を主張。その後の抗議デモを武力で鎮圧した。

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