◎ロシアのウクライナ侵攻を支援する独裁者のルカシェンコ大統領は2020年8月の大統領選で勝利を主張。その後の抗議デモを鉄拳でねじ伏せた。
ベラルーシの治安当局がルカシェンコ政権に反対する民主派勢力を取り締まり、少なくとも64人を逮捕した。人権団体「ビアスナ人権センター」が23日、明らかにした。
それによると、治安当局は過激派に指定されたグループの拠点などを家宅捜索。全土で少なくとも64人を逮捕したという。
国営テレビは関係者の話しとして、「過激派組織の構成員が多数逮捕され、その多くがマネーロンダリング(資金洗浄)、虚偽情報の拡散、扇動罪などで起訴される見通しだ」と伝えている。
ビアスナはSNSに声明を投稿。「最近刑期を終えた政治犯も数人逮捕されたという情報がある」と書き込んだ。
それによると、反体制派に食料などを提供するグループの関係者や実刑判決を受けた活動家の家族なども逮捕されたという。
ロシアのウクライナ侵攻を支援する独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は2020年8月の大統領選で勝利を主張。その後の抗議デモを鉄拳でねじ伏せた。
数カ月にわたる抗議デモには数十万人が参加。治安当局は3万5000人以上を逮捕し、数千人を殴打した。
その後、数百の独立系メディアやNGOなどが過激派に指定され、活動停止を余儀なくされた。
ビアスナの創設者であり2022年にノーベル平和賞を受賞したビアリアツキー(Ales Bialiatski)氏を含む1400人以上の政治犯が獄中に閉じ込められている。
2020年の大統領選に出馬し、リトアニアへの亡命を余儀なくされたチハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。今回の弾圧を非難し、「ルカシェンコとその取り巻きは弾圧で投獄された政治家の家族や活動家を標的にした」と書き込んだ。