◎会合ではドイツで市民権を得た移民を含む数百万人を強制送還する方法などが議論されたとみられる。
ドイツのショルツ連立政権は18日、極右組織が最近、政権をとったら数百万人の移民を強制送還すると会合で話し合ったという報道をめぐり、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を激しく非難した。
ドイツ通信社(dpa)などによると、極右組織が昨年11月に開いた会合にAfDなどの極右政党関係者が出席していたという。
会合ではドイツで市民権を得た移民を含む数百万人を強制送還する方法などが議論されたとみられる。
この会合に参加した別の極右政党は移民の国外追放を含む「新移民構想」を発表している。
最新の世論調査によると、AfDの支持率は20%を超え、最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)に肉薄。ショルツ(Olaf Scholz)首相の与党・社会民主党(SPD)や自由民主党を上回っている。
AfDは今年9月に予定されているザクセン州、テューリンゲン州、ブランデンブルク州の州議会選でもさらに勢力を伸ばすと予想されている。
AfDはこの極右会合から距離を置こうとしており、組織的・金銭的なつながりはなく、そこで話し合われた内容に関与しておらず、出席した党関係者は個人的な立場で参加したと主張している。
SPDの共同代表は18日の議会演説で、「ドイツで市民権を得た移民は今、この国から逃げ出さなければならなくなるかもしれないと恐怖に苛まれている」と語った。
別の議員は「あなたたちは羊の皮を被った狼だ」と述べ、AfDを非難した。「移民の命を何だと思っているのですか?」
自由民主党の議員は「報道された会合はAfDが右翼過激派の代理人であることを示している」と嘆いた。
ここ数日、各都市では極右勢力に反対するデモが繰り返されており、16日にはケルン市内で数万人がシュプレヒコールを上げた。