◎イスラエルのものとみられるドローンは2日、ベイルート南部のアパートにミサイルを2発撃ち込み、パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスの幹部アロウリ氏ら数人を殺害した。
レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの首長であるナスララ(Hassan Nasrallah)師は5日、イスラエル軍によるものとみられる首都ベイルートへの空爆を「戦争犯罪」と非難し、報復しなければならないと言明した。
ナスララ師は声明で、「報復しなければ、レバノン全土がイスラエル軍の攻撃にさらされることになるだろう」と主張した。
イスラエルのものとみられるドローンは2日、ベイルート南部のアパートにミサイルを2発撃ち込み、パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスの幹部アロウリ(Saleh al-Arouri)氏ら数人を殺害した。
ナスララ師はレバノンとイスラエルの戦闘をエスカレートされる危険を冒してでも、報復する必要があると国民に理解を求めたように見えた。
しかし、ナスララ師はいつどのように行動するかは明らかにしなかった。
アロウリ氏の暗殺はガザ紛争の拡大を抑えようとする米国の数カ月にわたる外交努力を脅かしている。
ナスララ師は声明の中で、「イスラエル軍によるベイルートへの攻撃は2006年以来初めてだ」と非難した。
またナスララ師は「このような重大な違反行為を見過ごすわけにはいかない。なぜなら、これは全国民が標的になることを意味するからだ」と述べた。「沈黙がもたらすリスクは報復よりはるかに大きいのです...」
米国のブリンケン(Antony Blinken)国務長官は5日、イラクの首都バグダッドに到着。ガザ問題などについてスダニ政権の高官らと協議する予定だ。
イラクでは米軍によるバグダッド空爆でイラン派の民兵指導者が死亡したことを受け、不満が高まっている。
米国はイランの支援を受けるイエメンの過激派フーシによる紅海商船への攻撃の抑止にも苦慮している。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は2万3000人近くに達した。イスラエル軍は年末年始も空爆と地上攻撃を続けている。