◎イスラエルとトルコの関係はガザ紛争で急激に悪化。双方が大使を帰国させる事態に発展した。
トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は27日、イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相をナチスのアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)になぞらえ、イスラエルによるガザ攻撃を「大量虐殺」と非難した。
エルドアン氏は首都アンカラの式典で演説。「ネタニヤフ氏とヒトラーの間にどのような違いがあるのか」と聴衆に説いた。
「彼はヒトラーよりも裕福で、西側諸国から支援を受けています。あらゆる種類の支援が米国から来ています。彼はその支援で何をしましたか?2万人以上のガザ市民を虐殺したのです...」
ネタニヤフ氏はこの発言に激怒し、エルドアン氏を「人権侵害の世界記録保持者」と呼んだ。
エルドアン氏は「ネタニヤフのやっていることはヒトラーのやったことに劣るか?そうではない」と述べた。「彼はヒトラーと何ら変わりない!」
イスラエルとトルコの関係はガザ紛争で急激に悪化。双方が大使を帰国させる事態に発展した。
エルドアン氏はトルコを「テロ国家」と呼ぶ一方、NATOの同盟国である米国への批判は抑えている。
トルコのフィダン(Hakan Fidan)外相は27日、ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官と電話会談し、トルコは米国がNATO同盟に基づいて行動し、トルコ政府への米航空・防衛大手ロッキード・マーチン社のF16戦闘機に関する約束を守ることを期待していると表明した。
一方、ネタニヤフ氏はエルドアン氏の発言に猛反発。声明で「クルド人に対する大量虐殺を行い、自らの支配に反対するジャーナリストを投獄する世界記録を持つエルドアンは我々に道徳を説くことができる最後の人物だ」と揶揄した。
両首脳が激しく罵り合っているにもかかわらず、両国は強固な商業的関係を維持している。
イスラエルは対ハマス掃討作戦を激化させ、この3カ月で2万1000人以上を殺害した。