◎フランスはこの地域の旧宗主国であり、10年ほど前からニジェール、マリ、ブルキナファソ、チャドなどと連携して対テロ作戦を主導してきた。
西アフリカ・ニジェールに駐留していたフランス軍が撤退任務を終えた。仏陸軍が22日、明らかにした。
仏陸軍参謀本部はAP通信の取材に対し、「ニジェール当局が定めた期限、12月22日までに撤退を終えた」と述べた。
仏政府は今週、ニジェールの在外公館を「無期限閉鎖」すると発表している。
マクロン(Emmanuel Macron)大統領は21日、訪問先のヨルダンで記者団に対し、ニジェールおよびサヘル地域における仏軍の再編に言及した。「我々はサヘル地域の安全を守るが、ニジェールでの影響力は確実に低下する...」
ニジェールの大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月26日、首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム(Mohamed Bazoum)大統領とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。
軍政はその後、駐仏軍に撤退を要求。撤退任務は10月から始まった。
ニジェール軍政は22日、フランスとの軍事協力終了について、「新時代の始まりである」とX(旧ツイッター)に投稿した。
また軍政は「ニジェール国民は背筋を伸ばし、祖国の安全保障に外国を介入させず、国軍の戦略的能力を強化することで目の前の課題に立ち向かう決意を固めている」と述べた。
フランスはこの地域の旧宗主国であり、10年ほど前からニジェール、マリ、ブルキナファソ、チャドなどと連携して対テロ作戦を主導してきた。
しかし、軍政の支配下に置かれたマリとブルキナで反フランス感情が高まり、7月のクーデターでニジェールがこれに加わった。西側諸国はニジェールをサヘル地域の安全保障の要と位置付けていた。