◎当局は選挙監視員に土下座を強要し、「ルカシェンコ大統領には逆らいません。神に誓います」などと言わせ、その様子を録画している。
ベラルーシの人権団体「ビアスナ人権センター」は12日、治安当局が来年予定されている議会選と地方議会選の選挙監視員数百人を弾圧していると発表した。
それによると、ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領の命を受けた武装警察官が全国の独立系選挙監視員の自宅や職場に押し入り、人々を拘束したり、殴ったりしているという。
議会選と地方議会選は来年2月に予定されている。
ビアスナはソーシャルメディアに投稿した声明で、「選挙監視員たちは携帯を奪われ、テロへの関与を禁じる誓約書に署名させられている」と明らかにした。
ルカシェンコ政権を否定する取り組みは禁固7年以下の実刑に処される可能性がある。
ビアスナによると、当局は選挙監視員に土下座を強要し、「ルカシェンコ大統領には逆らいません。神に誓います」などと言わせ、その様子を録画しているという。
当局からのコメントはない。
ルカシェンコ氏は2020年の大統領選で勝利を主張。当局はその後の抗議デモを力でねじ伏せ、市民3万5000人以上を逮捕、数千人を残酷に殴打した。
ビアスナによると、抗議デモで逮捕された民間人の多くが刑務所で拷問を受け、ルカシェンコ氏への忠誠を誓わされたという。
ビアスナは選挙監視員の取り締まりについて、「市民社会に対する新たな攻撃であり、2020選挙で政権を批判した独立系オブザーバーへの復讐」と呼んだ。