◎事故を起こしたのはシンガポール船籍の貨物船。港湾都市イスマイリア近くで舵が故障し、橋に接触した
エジプト・スエズ運河で貨物船が故障し、橋の欄干に衝突した。スエズ運河庁が6日、明らかにした。
それによると、事故を起こしたのはシンガポール船籍の貨物船。港湾都市イスマイリア近くで舵が故障し、橋に接触したという。
貨物船と橋の損傷の程度は明らかにされていない。
この貨物船はシンガポールからオランダに向かっていた。スエズ運河庁によると、4隻のタグボートが貨物船を牽引し、北上中だという。
事故は最近拡張工事が終わった区間で発生。ここは航路が2つに分かれているため、他の貨物船は第2航路を使用している。
スエズ運河はこの数年、船舶の座礁や故障に悩まされてきた。
今年8月には石油製品と液化天然ガス(LNG)を積んだ2隻のタンカーが片側1車線の区間で衝突した。
2021年3月には大型タンカー「エバーギブン」が片側1車線の区間で座礁。6日間にわたり運河が封鎖される事態となり、世界貿易に混乱が生じた。
スエズ運河は1869年に開通し、世界の石油、天然ガス、貨物輸送に欠かせない航路のひとつである。世界貿易の約10%がこの運河を経由し、エジプト政府にとって重要な外貨獲得源となっている。