◎「ニコチンなし」でも化学物質が含まれていれば健康を害す可能性がある。
使い捨て電子タバコ(Getty Images)

フランスの国民議会(下院、定数577)は5日、甘いフレーバーでティーンエイジャーに人気の「使い捨て電子タバコ」の使用を禁止する法案を全会一致で可決した。

ボルヌ政権が起草した法案は上院に送られ、数日中に可決・成立する見込み。2024年9月までに施行される予定だ。

ボルヌ(Elisabeth Borne)首相はこの法案を強く支持し、使い捨て電子タバコが若者の健康に害を与えるだけでなく、新たなゴミの発生源になっていることに懸念を示している。

使い捨て電子タバコは1本約10ユーロする小型の電池式デバイスであり、ティーンエイジャーに親しまれている。

それにタールは含まれていないが、ニコチンを含む中毒性のある危険な化学物質が含まれているものがあるとして、多くの医療専門家が警鐘を鳴らしている。

「ニコチンなし」でも化学物質が含まれていれば健康を害す可能性がある。

また使い捨て電子タバコは再充填・再充電するように設計されておらず、小型で充電不可能なリチウム電池は主に埋設処分されている。

この法案は欧州における反タバコ政策のひとつである。イギリス、アイルランド、ドイツも同様の措置を検討している。

ニュージーランドとオーストラリアはすでに規制を導入しており、前者はニコチンの濃度を低くすることを義務付け、後者は学校近くでのタバコ屋出店を制限している。

米食品医薬品局(FDA)は3年前、子供向けフレーバー付き使い捨て電子タバコ(ニコチンなし)に規制をかけた。しかし、規制導入後も不正をかいくぐる使い捨て電子タバコが国内で大量に流通している。

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