◎一時休戦は28日に5日目を迎え、ハマスは新たに人質12人を解放。イスラエルはパレスチナ人受刑者30人を釈放した。
米政府は27日、イスラエルに対し、パレスチア・ガザ地区の人道危機を悪化させないよう求め、より的を絞ってイスラム組織ハマスを攻撃するよう警告した。
AP通信は政府高官の話しとして、「ガザの人道危機を悪化させないことが重要であり、より的を絞った戦いをする必要があるとイスラエルに伝えた」と報じている。
イスラエル軍の空爆と地上侵攻により、ガザ北部で生活する100万人以上が南部への避難を余儀なくされた。
パレスチナ側の死者は1万3300人以上、イスラエル側では少なくとも1200人が死亡している。
一時休戦は28日に5日目を迎え、ハマスは新たに人質12人を解放。イスラエルはパレスチナ人受刑者30人を釈放した。
米政府高官はAPに、「イスラエル軍が駐留しているガザ南部で新たな戦闘が発生すれば、人道支援ネットワークの能力を超えた危機を引き起こす可能性がある」と述べ、イスラエルに慎重に行動するよう促した。
また報道官は「ガザ北部の一斉避難を南部で実施することはできず...極めて慎重に行動しなければならない」と警告した。
南部のエジプト・ラファ国境検問所は閉ざされたままであり、そこにとどまる100万人超は完全に行き場を失っている。
バイデン政権はイスラエルの自衛権とハマスを撲滅するというネタニヤフ政権の政策を強く支持してきた。
しかし、イスラエルの空爆と地上侵攻が人道危機に発展、国際社会の批判が強まると考えを一部改め、イスラエルに市民の保護を最優先するよう要請。今回の警告はこれまでで最も強いものとなった。
イスラエルは北部への攻撃を強化するにあたり、そこで生活する住民に南部への避難を呼びかけてきた。
米政府高官はAPに、「私たちはイスラエル政府に対して、新たな作戦が南部に避難した市民に影響を与えぬよう、最大限配慮する必要があると、非常に明確な言葉で伝えた」と述べた。