◎警察官約260人がベルリンとニーダーザクセン州の家屋・施設14軒を家宅捜索した。
ドイツ連邦警察は23日、首都ベルリンと北西部ニーダーザクセン州で人身売買組織の拠点を家宅捜索し、2人を逮捕した。
ドイツ通信社(dpa)によると、警察官約260人がベルリンとニーダーザクセン州の家屋・施設14軒を家宅捜索したという。
dpaは警察筋の話しとして、「今回逮捕された男2人はEU加盟国に移民200人以上を密入国させた罪に問われている」と伝えている。
2人のうち1人はベルリン出身の23歳。北部ハノーバー近郊の町で逮捕された。もう1人は40歳で、オーストリア警察の逮捕状に基づき、ハノーバーの別の地区で逮捕されたという。
警察は2人の身元と認否を明らかにしていない。
dpaによると、2人はEU圏内で活動する人身売買組織の一員とみられ、2022年8月~23年6月までの間に12回にわたって少なくとも208人の移民をEUに密入国させたという。
dpaは警察筋の話しを引用し、「2人は酷暑の中、トラックなどを使って移民を輸送し、その間、移民に食事や休息を与えなかった」と報じている。
2人は移民に対し、1人当たり4000~5000ユーロを支払うよう要求したとされる。移民たちはハンガリー、オーストリア、チェコ共和国を経由してドイツに入ったようだ。
ドイツは欧州の中で最も多くの移民を受け入れているが、国内の収容施設はほぼ満杯になっている。ショルツ政権は野党から移民の受け入れを抑制し、亡命申請を拒否された移民の強制送還を急ぐよう圧力を受けている。