◎バイデン政権は2021年、フーシ派を「テロ組織」から、その指導者を「特別指定国際テロリスト」のリストから外した。
米ホワイトハウスは21日、紅海で貨物船をシージャックしたイエメンのシーア派武装勢力フーシを特別指定国際テロリストに再指定することを検討していると明らかにした。
国家安全保障会議(NSC)のカービー(John Kirby)戦略広報調整官は記者会見で、この拿捕を「国際水域における航行の自由を侵害する海賊行為」と呼び、フーシ派が民間人を標的にしていると非難した。
紅海は世界で最も重要な貿易ルートのひとつである。
バイデン政権は2021年、フーシ派を「テロ組織」から、その指導者を「特別指定国際テロリスト」のリストから外した。
援助団体はこの指定解除がイエメン内戦を複雑にしていると非難してきた。
フーシ派は首都サヌアを含むイエメンの大部分を実効支配し、この数週間、巡航ミサイルやドローンなどでイスラエルを攻撃。紅海を航行するイスラエル船籍を拿捕すると警告している。
フーシ派は19日、日本郵船が運航するバハマ船籍の貨物船「ギャラクシー・リーダー」を襲撃。その後、フーシ派の報道官は声明で、「イスラエル軍がパレスチナ・ガザ地区への侵略をやめない限り、イスラエルの貨物船はどこにいても、我々の標的になる」と警告した。
ギャラクシー・リーダーの所有者はイスラエルの実業家ウンガー(Abraham Ungar)氏とつながりがあるとされる。
この乗組員25人にイスラエル人は含まれず、ブルガリア、フィリピン、メキシコ、ウクライナなどで構成されているようだ。
フーシ派は25人を拘束しているものとみられる。カービー氏は人質の即時かつ無条件の解放を求め、この攻撃にイランが関与していると非難した。
西側のアナリストはこの拿捕について、「イラン政府、イスラム革命防衛隊の戦術を反映したものであり、フーシ派は紅海でこのような攻撃を継続する可能性がある」と警告している。