◎チャドに避難した難民のほとんどがスーダン人であり、この半年で推定140万人に膨れ上がった
国連世界食糧計画(WFP)は21日、西アフリカ・チャドに避難した難民140万人への食料援助が資金不足のために打ち切られる可能性があると警告した。
WFPは声明で、「チャドに避難した難民のほとんどがスーダン人であり、この半年で推定140万人に膨れ上がった」と明らかにした。
またWFPは「世界が他の緊急事態に目を向けている間、スーダン内戦の危機は拡大し続けている」と警告。国際社会に支援を呼びかけた。
スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月中旬から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この戦闘による死者は確認できているだけで5000人に達し、少なくとも520万人が国外もしくは国内の比較的安全な地域に避難した。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も全く立っていない。
一部の専門家は紛争が西部ダルフール地方に拡大し、民族浄化に発展する恐れがあると警告している。
WFPによると、国外に逃れたスーダン難民の大半がチャドに流れ着き、国連の難民キャンプなどで厳しい生活を余儀なくされている。
チャドは世界で最も貧しい国のひとつであり、他国の難民に支援を提供する余裕はないとしている。
WFPは声明で、「私たちは一丸となって、この壊滅的な危機に直面している難民を保護しなければならない」と訴えた。「食料支援の停止は数百万人に計り知れない結果をもたらし、ここ数十年で最悪の大飢饉に発展する恐れがあります...」