◎ラカイン族の武装集団「アラカン軍」は13日、国軍の2つの前哨基地に奇襲攻撃を仕掛けた。
2021年9月18日/ミャンマー、西部チン州、炎上する民家(ロイター通信)

ミャンマー西部ラカイン州で反体制派が軍政への攻撃を開始した。地元メディアが13日に報じた。

それによると、ラカイン族の武装集団「アラカン軍」は13日、国軍の2つの前哨基地に奇襲攻撃を仕掛けたという。

独立系メディアは情報筋の話しとして、「国軍はゲリラの急襲に対応できず、2つの前哨基地を放棄した」と伝えている。

軍政は1年ほど前にアラカン軍と停戦協定を結んだと主張していた。

アラカン軍の報道官はAP通信の取材に対し、「ラカイン州の2つの町にある警察署(前哨基地)を占領し、国軍の兵士20人以上が武器を捨て投降した」と語った。

また報道官は首都ネピドーから派遣された将校数人を逮捕したと明らかにした。

複数の独立系メディアがラカイン州の2つの警察署で銃声が聞こえたと伝えている。死傷者が出たかどうかは不明。

ミャンマー国営放送(MRTV)も13日、ラカイン州政府が一部地域の住民に午後9時以降は外出しないよう勧告したと報じた。

アラカン軍は自治権拡大を求める少数民族ラカイン族の若者で構成される。

この地域では2017年の軍政による弾圧でロヒンギャ難民約74万人が国を追われた。

報道によると、アラカン軍は先月末、複数のゲリラ組織と連携して中国国境沿いの北部シャン州への協調攻勢を開始したとみられる。

この同盟はシャン州の国軍部隊を圧倒したと主張。少なくとも3つの町の支配権を確立したとしている。

そのうちの1つは中国との貿易に欠かせない要衝の町とされる。

アウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏の政党・国民民主連盟(NLD)の軍事部門は12日、アラカン軍がラカイン州の3つの町を占領したと報告した。

MRTVによると、軍政は中国国境に近い8つの町に戒厳令を敷き、増援部隊を送ったという。

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