◎中央政府は先月、全ての不法移民に対し、11月1日までに国外に退去するよう命じ、それ以降に残っている移民は拘束・強制送還すると警告していた。
パキスタン警察が南部シンド州でアフガニスタン難民を取り締まり、女性と子供を含む数千人を逮捕した。地元の人権団体が11日、明らかにした。
中央政府は現在、ビザを持たない不法移民を逮捕・国外追放する取り組みを進めており、この数週間でアフガン難民25万人以上がパキスタンを離れた。
政府は先月、全ての不法移民に対し、11月1日までに国外に退去するよう命じ、それ以降に残っている移民は拘束・強制送還すると警告していた。
パキスタンで生活する不法移民の大半がアフガン人とされ、その数は200万人近くにのぼると推定されている。
最大都市カラチで記者会見を開いた人権団体は「シンド州の警察当局が家宅捜索を本格化させ、女性と子供を含むアフガン人家族を次々拘束している」と語った。
国連を含む人権団体はカラチ市内に担当者を常駐させ、難民を支援している。
しかし、人権団体の代表は「シンド州警察が取り締まりを強化した結果、難民は人目を避けて行動するようになり、支援を受けられなくなっている」と指摘した。
それによると、警察当局は拘束したアフガン難民を国境近くの施設に連行し、手続きが終わった者からアフガン側にバスで送り出しているという。
11月1日以降の取り締まりで逮捕されたアフガン難民は数千人に達したとみられる。
地元メディアは治安筋の話しとして、「不法移民の取り締まりは数カ月続くとみられ、それが終わった後も不法移民に居場所はない」と伝えている。
シンド州警察は昨年12月、カラチ市内で渡航書類を持たずに入国したアフガン人約1200人を拘束。狭い独房に入れられた子供の写真がソーシャルメディアで拡散し、アフガン国内で怒りの声が上がった。