◎サンチェス連立政権は7月の下院選(定数350)で過半数を獲得できず、第2党に甘んじた。
スペインのサンチェス(Pedro Sánchez)首相率いる社会労働党は9日、カタルーニャ自治州の政党の支持を得る代わり、分離独立運動に関与した数千人に恩赦を与えると発表した。
社会労働党の報道官は声明で、「カタルーニャ自治州のプチデモン(Carles Puigdemont)元首相率いる政党と連携することで合意に達した」と明らかにした。
プチデモン氏はカタルーニャの分離独立の是非を問う2017年の違法住民投票を主導。現在はベルギーで欧州議会議員を務めている。
社会労働党の報道官はこの合意について、「政治的なものであり、数千人が恩赦の対象になる」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
サンチェス連立政権は7月の下院選(定数350)で過半数を獲得できず、第2党に甘んじた。
一方、第1党に躍り出た右派・国民党も連立交渉で結果を出せず、3回目の下院選が現実味を帯びていた。
カタルーニャ政党との合意はサンチェス新政権の発足を後押しするとみられる。サンチェス氏は他の左派政党との協議を続けており、地元メディアによると、合意に達する可能性が高いという。
カタルーニャの2つの政党との連携はサンチェス氏を首相とする新政権発足に欠かせないものであり、交渉は困難を極めたようだ。
この2つ政党は下院でそれぞれ7議席しか保有していないが、社会労働党はこの合意により、数日中にしきい値(176議席)を超えると予想されている。
11月27日までに新政権を発足できなければ、憲法に基づき、来年1月に再選挙となる。