◎アフガンは世界最大のアヘン生産国であり、その多くが欧州とアジアに流れている。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)は5日、アフガニスタンを統治するイスラム主義組織タリバンが昨年出したケシ(ヘロインの原料)栽培禁止令により、同国の農家は10億ドル以上の収入を失ったと明らかにした。
アフガンは世界最大のアヘン生産国であり、その多くが欧州とアジアに流れている。
タリバンは2021年8月の政変後、ケシ根絶キャンペーンをスタートさせ、昨年4月に禁止令を出した。
この禁止令はアヘンの収入に頼っていた何十万もの農家や日雇い労働者に大打撃を与えた。
UNODCが公表したレポートによると、この禁止令後、同国のアヘン生産量は95%も激減したという。
2023年までアフガンのアヘン輸出額はその他製品の輸出額を上回ることが多かった。
国連によると、アヘンの生産減はアフガンに広範な影響を及ぼしているという。禁止令以前のアヘン輸出はGDPの9〜14%を占めていた。
UNODCはレポートの中で、「アフガン市民、特にケシ農家は禁止令で収入を失い、緊急の人道支援を必要としている」と報告している。
1990年代の旧タリバン政権もケシ栽培を禁じ、厳しい取り締まりで2年以内に国内のケシをほぼ根絶した。
しかし、2001年のアフガン侵攻後に発足した新政権はケシの取り締まりをやめ、多くの農家がケシ栽培を再開した。