◎オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。
イラク北部クルド人自治区の治安部隊ペシュメルガ(Peshmerga)とイラク陸軍が衝突し、少なくとも3人が死亡した。現地メディアが22日に報じた。
それによると、死亡したのはいずれもイラク陸軍の兵士。身元は明らかにされず、別の兵士7人が負傷したという。
クルド労働者党(PKK)は19日、この地域でイスラム国(ISIS)の脅威が低下しているとして、これまで支配してきた陣地をペシュメルガに明け渡すと発表した。
PKKは2014年以来、ISISとの世界的な戦いが続く中、この軍事拠点を堅持してきた。
トルコ政府はPKKをテロ組織に指定し、クルド人が支配する地域を何度も空爆している。一方、イラク政府はISISの残党を取り締まる中で、クルド系組織と衝突してきた。
イラクのスダニ(Mohammed al-Sudani)首相は22日、この事件を調査する専門家委員会を開くよう関係閣僚に命じた。
イラク軍とペシュメルガは山間部の集落近くで衝突したとされるが、詳細は明らかになっていない。
ペシュメルガは「山間部にイラク政府とクルド人の領土を分ける国境線があり、自陣側への立ち入りは領土侵害に当たる」と非難している。