◎ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、ドイツには100万人以上のウクライナ難民と、かなりの数のアフリカ・中東系移民が流入している。
2022年8月25日/オランダ北東部、ドイツ国境近くの亡命希望者受付センター(Peter Dejong/AP通信)

ドイツのショルツ(Olaf Scholz)首相が20日、不法移民の強制送還を開始する必要があると表明した。

連邦議会の一部の野党議員はショルツ連立政権に移民対策の強化を促し、「緑の党(左派)」「自由民主党(中道右派)」との連立を解消したうえで、保守政党と連立を組むよう提案しているようだ。

ショルツ氏は今月初めに行われた2つの州議会選で大敗を喫し、厳しい政権運営を余儀なくされている。この州議会選では移民問題が焦点のひとつになった。

ショルツ氏はこの2週間、移民問題について協議を進めたい意向を強く示している。2つの州議会選で大敗を喫し、移民の国外追放を提唱する極右AfD(ドイツのための選択肢)が大躍進したためである。

ショルツ氏は先週、不法移民の強制送還を容易にする法案を公表。さらに政府は今週、EUの執行機関である欧州委員会にポーランド、チェコ、スイスの国境管理を一時的に強化すると通知した。

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、ドイツには100万人以上のウクライナ難民と、かなりの数のアフリカ・中東系移民が流入。全国にある専用シェルターはほぼ満杯になっている。

ショルツ氏は20日に放送されたテレビインタビューで、「あまりにも多くの人がやってきている」と強調した。

ショルツ氏はインタビューの中でこう言及している。「我々は最終的に、滞在する権利のない人々をまとめて強制送還しなければならない。我々はより多く、より速く強制送還しなければならない...」

ドイツ通信社(dpa)によると、バイエルン州の野党幹部は20日、ショルツ氏が「緑の党」「自由民主党」との連立を解消し、最大野党「キリスト教民主同盟」との大連立が必要かもしれないと提案したと主張したという。

首相府の報道官は記者団からこの発言についてどう思うかと問われると、「何もない」と答えた。

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