◎ガザ地区の住民約200万人は水、食料、電気、燃料を遮断され、危機的状況にある。そのうち約100万人が南部のラファ検問所近くに避難し、支援を待っている。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は18日、パレスチナ・ガザ地区で「前例のない未曽有の大惨事」が起きていると警告し、国際社会に同地域への人道支援輸送を速やかに許可するよう懇願した。
UNRWAは声明で、国際機構「イスラム協力機構」の外相理事会に対し、ガザの市民を守るために、可及的速やかに同地域への人道努力を無条件で支持・支援するよう求めた。
イスラエル軍とガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの衝突は12日目に突入。双方の死者は5000人近くに達し、今も増え続けている。
ガザ地区の住民約200万人は水、食料、電気、燃料を遮断され、危機的状況にある。そのうち約100万人が南部のラファ検問所近くに避難し、支援を待っている。
バイデン(Joe Biden)米大統領は18日、イスラエル・テルアビブを訪問し、ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相と会談。イスラエルとの連帯を表明し、ガザ地区への軍事侵攻を容認した。
ホワイトハウスによると、ネタニヤフ氏は首脳会談の中で、エジプト側からガザ地区に人道支援を送ることに合意したという。
ラファ検問所が開放される時期は明らかになっていない。
一方、エジプトのシシ(Abdel Fattah el-Sissi)大統領は18日、ガザ地区南部の避難民を受け入れるつもりはないと表明した。
UNRWAは17日夜にガザ地区北部の病院が爆発したことについて、「多くの市民がイスラエル軍の空爆下にある北部にとどまらざるを得ず、危機的状況にある」と強調した。
それによると、この地域では17日夜にも避難所として利用されている学校が攻撃を受け、少なくとも6人が死亡したという。
UNRWAはガザの現状をこう説明している。「ガザの市民はゆっくりと首を締め上げられている。いつ死んでもおかしくない。それなのに、世界は見て見ぬふりをしている...」
赤十字国際委員会は17日、外科手術チーム、60トンの人道支援物資、医療品をラファ検問所に送ったと報告した。
医療団は16日に検問所を通過できる予定だったが、認められなかったようだ。
ラファ検問所に続く道路では大型トラック数百台が待機を余儀なくされている。