◎国連安全保障理事会は今月初め、ハイチへのPKO派遣を全会一致で承認。部隊を率いるのはケニアで、米国は最大2億ドルを拠出すると約束した。
ケニア政府は13日、中米ハイチの国連PKO部隊に同国の警察官約1000人を派遣することを閣議決定した。
警察官の国外派遣には国会の承認が必要である。
国連安全保障理事会は今月初め、ハイチへのPKO派遣を全会一致で承認。部隊を率いるのはケニアで、米国は最大2億ドルを拠出すると約束した。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
首都ポルトープランスでは今年初め頃から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。地元の人権団体はこの争いで民間人数千人が死亡または行方不明となり、数十万人が国外に逃亡したと推定している。
ケニアの高等裁判所は今週、PKO派遣を違憲とする地方議員の意義申し立てを受け、政府に他国への部隊派遣を一時的に停止するよう命じた。
同裁判の次回審理は10月24日に予定されている。
内務省の報道官は13日、「内相が派兵に関する国民議会委員会に出席し、ハイチへの警察官派遣に理解を求めた」と述べた。
それによると、内相は現地に派遣される第一陣の訓練を開始するよう警察庁長官に命じたという。
昨年の大統領選で敗れた野党指導者のオディンガ(Rila Odinga)氏は先週、「自国の安全保障を最優先すべきあり、他国に警察官を送る余裕などない」と述べ、ルト(William Ruto)大統領を批判した。
ケニアはハイチに警察官約1000人を派遣する予定だが、派遣日はまだ明らかにしていない。