◎NATOはロシアが包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を撤回して核実験を再開するという懸念が高まる中、核演習を行うことになる。
NATOのストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は12日、核抑止に関する演習を予定通り実施すると発表した。
NATOはロシアが包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を撤回して核実験を再開するという懸念が高まる中、核演習を行うことになる。
この演習は毎年この時期に行われている。核弾頭を搭載できる爆撃機も参加するが、実弾は持ち込まない。
通常の戦闘機や偵察機、給油機なども参加する大規模なものになる予定だ。
ストルテンベルグ氏は記者会見で、「これは毎年10月に行っている定期訓練のひとつだ」と強調した。
それによると、今年はイタリア、クロアチア、地中海上空で実施する予定だという。
ストルテンベルグ氏はこの演習について、「核抑止力の信頼性、有効性、安全性を確保するものであり、NATOはすべての同盟国を守り抜くという明確なメッセージを送る」と述べた。
演習期間は10月16~26日の予定。
NATO加盟13カ国が参加し、米国のB52爆撃機などが使用される。
演習の大部分はロシアの国境から1000キロほど離れた場所で行われる。
ロシアのリャブコフ(Sergei Ryabkov)外務次官は今週、「同国がCTBTの批准を撤回して核実験を再開するかどうかは米国次第である」という認識を示した。
CTBTは1996年に採択され、ロシアと米国の両大統領が署名したものの、米国は批准しなかった。
リャブコフ氏は記者会見の中で、「ロシアはCTBC批准を取り消し、米国の行動を反映させる用意がある」と語った。
プーチン(Vladimir Putin)大統領もCTBT批准を撤回する可能性があると警告。「核実験の必要性を訴える専門家もいるが、政府の考えはまだまとまっていない」と説明している。
ロシアはウクライナへの軍事支援を続ける欧米諸国を思いとどまらせるために、核実験再開をちらつかせている。
ロシアのタカ派は再開を熱望している。