◎CTBTは1996年に採択され、ロシアと米国の両大統領が署名したものの、米国は批准しなかった。
ロシア国防省が2022年5月28日に公開した映像、極超音速ミサイルの発射試験(Russian Defense Ministry Press Service/AP通信)

ロシアのリャブコフ(Sergei Ryabkov)外務次官は10日、同国が包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を撤回して核実験を再開するかどうかは米国次第であるという認識を示した。

リャブコフ氏は記者団に対し、「ロシアはCTBC批准を取り消し、米国の行動を反映させる用意がある」と語った。

CTBTは1996年に採択され、ロシアと米国の両大統領が署名したものの、米国は批准しなかった。

プーチン(Vladimir Putin)大統領は先週、CTBT批准を撤回する可能性があると警告。「核実験の必要性を訴える専門家もいるが、政府の考えはまだまとまっていない」と述べた。

ウクライナへの軍事支援を続ける欧米諸国を思いとどまらせるために、ロシアが核実験再開に動くのではないかという懸念が高まっている。

ロシアのタカ派は再開に賛成している。

ロシア連邦議会下院のトップもCTBT批准撤回を進める用意があると表明。下院の審議会は9日、外交問題を協議する委員らに対し、10日以内にこの問題をどう進めるか回答するよう命じた。

リャブコフ氏は「米国は我々がCTBTに関する問題に興味がないと信じてきたが、それは大きな間違いであり、我々は米国と同じように行動する用意がある」と語った。

またリャブコフ氏は米国がCTBTを批准することはなく、「遺憾ながら、いつでも核実験を行えるよう準備を進めている」と主張した。「ロシアは2000年に批准しました。米国はこの23年、何をしていたのですか?」

リャブコフ氏はプーチン氏が以前、国内にある核実験場の再開に向けた準備を進めるよう指示したことについて、「ロシアは米国と同じように、いつでも核実験を行うことができる」と述べた。

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