コンゴ・エボラ流行、WHO事務局長が現地入り「感染拡大止める」
今回の流行は「ブンディブギョ株」と呼ばれる比較的まれなエボラウイルスによるもので、有効性が認められたワクチンや治療薬がない。
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世界保健機関(WHO)のテドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は29日、「エボラ出血熱」の感染拡大が続くコンゴ民主共和国の首都キンシャサに到着し、「この感染拡大は止めることができる」と述べ、国際社会に支援強化を呼びかけた。東部地域を中心に感染が広がる中、医療体制の脆弱さや武装勢力による治安悪化が封じ込めを困難にしており、WHOは危機感を強めている。
今回の流行は「ブンディブギョ株」と呼ばれる比較的まれなエボラウイルスによるもので、有効性が認められたワクチンや治療薬がない。WHOによると、コンゴ国内ではこれまでに125人の感染が確定し、17人がブンディブギョ株で死亡した。疑い例を含めると900件以上、死者は200人超に上る可能性があるという。隣国ウガンダでも感染者が確認された。
テドロス氏は空港到着後、記者団に対し、「ジュネーブのオフィスから指示を出すだけでは不十分だ」と語り、地元住民と協力しながら感染封じ込めを進める重要性を強調した。また、「コンゴは孤立していないということを示したい」と述べ、住民の不安解消に努める姿勢を示した。
感染拡大の中心地となっている北東部イトゥリ州では武装勢力による襲撃や住民避難が相次ぎ、医療活動が大きく制約されている。WHOによると、今年に入ってからコンゴ国内では医療施設や人道支援関係者への攻撃が700件以上報告されている。さらに、道路や通信などインフラ整備の遅れに加え、政府や医療機関への不信感も根強く、接触者追跡や隔離措置が十分に機能していない。
WHOは国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)を宣言し、欧州連合(EU)や米国などから医療物資や資金支援が始まっている。現地には防護服や検査機器などが届けられ、WHOやアフリカ疾病対策センター(CDC)の専門家チームも派遣された。ただ、検査能力不足や資金難は依然として深刻で、専門家からは「実際の感染規模は把握できている以上に大きい可能性がある」との指摘も出ている。
エボラ出血熱は高熱や嘔吐、下痢、出血などを引き起こす感染症で、致死率は30~90%に達する場合がある。WHOは早期診断と迅速な治療が死亡率低下につながるとして、検査体制の拡充を急いでいる。テドロス氏は「地域社会と国際社会が連携すれば感染拡大は抑え込める」と述べ、継続的な支援の必要性を訴えた。
