SHARE:

イスラエル・ヒズボラ紛争、多くの子どもが犠牲に、ユニセフが警鐘

ユニセフによると、この1週間だけで子どもの死傷者は計77人に上った。
2026年3月2日/レバノン、首都ベイルート、イスラエル軍の空爆(ロイター通信)

レバノンで続く戦闘の影響により、子どもの犠牲が深刻化している。国連児童基金(ユニセフ)は29日、過去1週間にレバノン国内で平均して1日あたり11人の子どもが死亡または負傷したと明らかにした。イスラエル軍と親イラン組織ヒズボラの交戦が続く中、停戦合意が十分に機能せず、民間人、とりわけ子どもへの被害が拡大している状況が浮き彫りになった。

ユニセフによると、この1週間だけで子どもの死傷者は計77人に上った。さらに、4月中旬に発効した停戦以降も状況は改善しておらず、停戦後の累計では55人の子どもが死亡し、212人が負傷したという。ユニセフの広報担当者は「この犠牲者数は衝撃的だ」と述べ、即時の事態改善を訴えた。

背景には、レバノン南部や首都ベイルートなどを中心に続く空爆の激化がある。イスラエル軍はヒズボラの軍事拠点を標的に攻撃を継続、住宅地やインフラにも被害が及び、民間人の巻き添えが相次いでいる。国連はこうした攻撃が停戦後も断続的に続いていると指摘している。

レバノン保健当局の集計によると、3月の戦闘再開以降の死者数は3000人を超え、その中には多数の女性や子どもが含まれている。さらに国内避難民は100万人規模に達し、教育や医療など社会基盤への影響も深刻化している。学校が避難所として使われるケースも増え、子どもたちは学習環境を失ったまま不安定な生活を強いられている。

また医療機関への攻撃も問題となっている。病院や診療所が損傷し、救急搬送や治療が困難になるケースが増加、負傷した子どもへの対応が遅れる事態も発生している。ユニセフは医療施設や学校などの民間インフラを保護する国際人道法の遵守を改めて呼びかけた。

専門家は子どもの被害が高水準で推移していることについて、戦闘の長期化と攻撃範囲の広がりが影響していると分析している。特に住宅地への攻撃が続く限り、今後も同様の被害が発生する可能性が高い。

ユニセフはすべての紛争当事者に対し、子どもの生命と安全を最優先にした行動を取るよう強く呼びかけている。戦闘が続く中で、レバノンの子どもたちは日常生活の基盤を失い、極めて深刻な人道危機に直面している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします