◎スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月中旬から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
国連世界食糧計画(WFP)は3日、北東アフリカ・スーダンから南スーダンに避難した子供の2割が栄養失調に苦しみ、到着者の9割以上が数日間食事をしていないと明らかにした。
それによると、過去5カ月で30万人近くがスーダンから南スーダンに流入し、その大半が南スーダン人だという。
南スーダンは2013年に内戦に突入し、多くの国民が近隣諸国に逃亡した。
WFPの南スーダン代表はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「スーダン内戦から逃れた多くの南スーダン人が絶望を味わっている」と書き込んだ。
スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月中旬から首都ハルツームなどの支配権を争っている。サウジアラビアと米国が仲介した停戦合意は6月に失効し、多くの地域で戦闘が激化した。
ハルツームでは広い範囲で市街戦が展開されているとみられる。地元の活動家などによると、RSFは民家を徴用し、国軍に待ち伏せ攻撃を仕掛けているという。
国連はこの半年で少なくとも5000人が死亡、1万2000人以上が負傷したと推定している。実際の死者数はもっと多いとみられるが、被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
WFPはスーダン難民に人道支援を提供するため、1億2000万ドル以上の追加資金が必要と国際社会に訴えている。
スーダンと南スーダンは雨期に入り、広い範囲で洪水が多発。伝染病のリスクが急激に高まっている。
WFPは公式ホームページに掲載した声明の中で、「今日スーダンから到着した人々は、内戦初期に避難した人々より疲れ果て、厳しい状況に置かれている」とした。
国連のスーダン事務所によると、この半年で520万人以上が故郷を離れ、そのうち100万人以上が近隣諸国に逃れたという。
同国で人道支援を必要としている人は人口の半数にあたる約2500万人、そのうち約630万人が「飢餓の一歩手前」と推定されている。